歌の上達を加速させる！ボーカリストが楽器を習得すべき理由とは？

「歌が上手くなりたい！」とボイストレーニングに励む皆さん。練習に打ち込む中で、「楽器も弾けた方がいいのかな？」と考えたことはありませんか？

結論から言うと、ボーカリストが楽器（特にピアノやギター）を習得することは、あなたの歌唱力や音楽性を飛躍的に高める強力な武器になります。

歌うことは、私たち自身の身体を「楽器」として使うこと。しかし、他の楽器を学ぶことで得られる知識や感覚は、ボーカリストとしての表現力に深みを与えてくれるのです。

今回は、なぜボーカリストに楽器の習得がおすすめなのか、その具体的なメリットと、これから始める方へのアドバイスを徹底解説します！

楽器の習得は、単に「弾き語りができる」ようになるだけではありません。音楽をより深く理解し、歌唱表現を豊かにするための土台を築いてくれます。

ボイストレーニングでもリズム練習は行いますが、楽器の演奏は全身でリズムを感じ、表現する訓練になります。

リズム感の強化: ギターのストロークやピアノの伴奏を弾きながら歌う練習は、歌と楽器という複数のリズムを同時に処理することになります。これにより、曲全体のグルーヴやテンポを正確にキープする能力（タイム感）が鍛えられます。
音感の向上: ピアノやギターでメロディや和音（コード）を実際に「鳴らす」ことで、音の響きや音程の違いを耳だけでなく、指や体で記憶します。これは、正しいピッチ（音程）を捉える能力や、ハモリの音を聴き分ける能力を向上させるのに直結します。

歌の練習では、どうしてもメロディラインや歌詞に意識が集中しがちです。しかし、楽器を学ぶことで、曲全体を俯瞰できるようになります。

コード（和音）の理解: 楽器でコード進行を学ぶと、「なぜここで歌のメロディがこの音になるのか」「このコードが変わると曲の雰囲気がどう変わるのか」という音楽の背景が理解できるようになります。
表現の引き出しが増える: 音楽の構造がわかると、単に楽譜通りに歌うだけでなく、「ここはコードが悲しい響きだから、少し抑揚をつけて歌おう」「サビはコードが一気に明るくなるから、声を前に出そう」といった、感情を音にのせるための具体的な工夫ができるようになります。講師の指導もより深く理解できるようになるでしょう。

楽器が少しでも弾けると、あなたの音楽ライフは一気に広がります。

弾き語りという強力なツール: ギターやピアノでの弾き語りができれば、一人でオリジナル曲の発表やライブ活動が可能です。伴奏者に頼ることなく、いつでもどこでも歌を表現できる自由は大きな魅力です。
作曲・編曲への第一歩: コードが理解できれば、自然と曲作りへの関心が高まります。頭の中のメロディを形にする強力なツールとなるでしょう。
セッションへの参加: 楽器の基礎があれば、他のミュージシャンとのセッションに参加しやすくなり、音楽仲間との交流の場も広がります。

どの楽器を選ぶべきか迷ったら、以下の2つの楽器から始めるのがおすすめです。どちらも弾き語りに欠かせない、コードを視覚的に捉えやすい楽器です。

どちらもボイトレ教室で弾き語りコースが用意されていることが多いため、最初はレンタルを利用して試してみるのも良いでしょう。

「歌の練習だけでも大変なのに、楽器まで…」と気負う必要はありません。目的は楽器のプロになることではなく、歌唱力向上のためのツールとして使うことです。

簡単なコードからでOK！ 最初はC、G、Am、Fなどの基本的なコードを数個弾けるようになるだけで、多くの曲の伴奏ができます。まずは、好きな曲の簡単な部分を弾き語りできることを目標にしましょう。
歌と楽器は「分けて」練習する 歌いながら楽器を弾くのは、慣れるまで非常に難しいです。
- まず楽器だけで伴奏をスムーズに弾けるようにする。
- 次に歌だけでメロディとリズムを完璧にする。
- 最後に簡単なセクションから一緒に合わせていく。このステップを踏むことで、効率的に習得できます。
ボイトレの講師に相談する もし講師が楽器経験者であれば、弾き語りのコツや、歌に役立つ基礎的な練習方法を聞いてみましょう。あなたの歌のクセに合わせた楽器のアドバイスをもらえるかもしれません。

ボイストレーニングは、あなたという「声の楽器」を磨き上げること。そして、楽器の習得は、その声の楽器を支え、響きを増幅させる「音響設備」を自分自身で持つことに等しいのです。

歌の上達に壁を感じているなら、ぜひ一度、楽器の世界に触れてみてください。音楽の新しい発見が、あなたの歌声をさらに魅力的にしてくれるはずです！